みんなの冷蔵庫(仮)1
さっきから人をいきなり巻き込んどいて、勝手な事ばかり言って。

そりゃ、お父さんの事は同情するけど、だからって初対面の私を自由に振り回していいって事にはならないと思う。

住み込む? 冗談じゃない!


「なぜ怒ってる? 生理前か? カルシウム不足か?」


京極が前に回り、私の顔を覗き込んだ。


「どっちも違う!」


私は至近距離と戦う為に、お腹の辺りに気合いをいれ、ギロリとすぐ目の前の端正な顔を睨み付ける。


「あんたがあまりにも好き勝手し放題だから、好きじゃないの」


流されちゃ駄目だ。
この人達に利用されては駄目。

そう強く自分に言い聞かせ、固く唇を結び、ちょっとだけ垂れ目をできるだけ鋭くさせて睨み続けた。


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