みんなの冷蔵庫(仮)1
よかった……。

感情的になると一気にいろいろと言ってしまうの、私の昔からの悪い癖だ。

これからは少し気をつけよう。

少し身を屈めるようにして私と目線を合わせていた京極は、やれやれって感じで背筋を伸ばすと、後ろの佐田さんを振り返った。


「佐田、カルシウムを多く含む物って何があったかな?」


たった今反省したんだけど……

したんだけど。

ついイラッとして椅子から立ち上がると同時に、私の右のつま先は、京極の柔らかいハラコ素材のローファーの甲を踏み付ける。


「いらないわよ! カルシウム足りてるってば!」


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