みんなの冷蔵庫(仮)1
「試験? 季節外れだろ」


それに気付いているのかいないのか、京極は不満そうに口を尖らせる。


「あんたには関係ない」


私のかわいくない口が続けて悪態をつく。


「何の勉強?」


腕組みをして考え込んでいた京極が、前髪を払って言った。


「英語と中国語」


私は前髪を払った時に飛び散った「色男ビーム」に感染しないよう、一歩下がり、俯いて短く答えた。

英語と中国語だけは前期に二回小テストがあり、その点が単位を取る為の総合点数の半分になる。

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