みんなの冷蔵庫(仮)1
「ふん、何でか知らんが教師なんかやってる。だから教えるのも上手いかもしれない。実は、僕の成績で志望大学の推薦が取れる程内申が上がったのは、奴のお陰ってのもある」


京極はズボンのポケットから携帯を取り出し、画面を眺めながらふと思い出したみたいに付け加えた。


「顔もまあ……僕の次にいいかもしれない。運動神経も、まあいい方だ。それだけだ」


あまり面白くなさそうに言う京極に、相手に対するライバル心のようなものを感じる。


「それだけって……顔と頭どっちもよければ完璧じゃん。性格だって、あんたと付き合えてるんならそこそこ我慢強いはずだし」


会った事もない京極の知り合いに軽く同情しながら言うと、ふっと軽く鼻で笑う。


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