みんなの冷蔵庫(仮)1
「ふん、みんな気付かないんだ僕の方がいかにいい男か。――それにしてもなかなか出ないな」


京極は耳にあてた携帯を離し、ディスプレイを睨み付ける。

なんだか京極は、この電話の相手の話になってから、急に子供っぽくなった気がする。

目の前にいない相手に向かって対抗意識を燃やしたりして。


「仕事なんじゃないの?」

「今日は土曜だ、休み――遅い! お前、出ないつもりだったな?」


私に話しかけてる途中で電話が繋がったらしく、京極は声を荒げて携帯に噛み付きそうな勢いだ。

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