みんなの冷蔵庫(仮)1
デートなら尚の事もう一度かけてやる、と息巻く京極を見て、私はため息をついた。


「もういいよ。あんたは生まれながらのお金持ちで、人に頼んだりするの慣れてるかも知れないけど、私は生まれながらの庶民だから、そういうの慣れてないし」


私の何となく言った言葉に、京極は敏感に反応した。

今まで獅子のように自分勝手に吠えまくっていたのに、急に捨て猫のように切ない、心細い目を一瞬こちらに向けてから、俯く。

突然そんな顔するから、私は胸が詰まって仕方ない。

何?
何なの急に。


「生まれながらじゃない」


京極は感情を読み取れない、平淡な声を出す。


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