みんなの冷蔵庫(仮)1
「母が中国人ですから、多少の中国語なら教える事ができると思います」


私は佐田さんの方を振り返る。

そのすぐ後ろで京極が「ああ」と小さく呟くのが聞こえた。


「そうだった、すっかり忘れてた。じゃ、問題は解決だな」


京極は弾む声で言い、後ろから私の肩に手を置く。

全然解決してないでしょ、英語はどうすんのよ。

と言うと話がまた長くなりそうなのでやめた。

さっきの電話みたいに、またいきなり誰かにお願いしだしたりするかもしれないし。

肩に置かれた手を払うのも、今回は見逃す事にした。


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