みんなの冷蔵庫(仮)1
こんなに部屋中張り巡らす程ファンだなんて、と、京極の熱狂ぶりに正直ちょっと引いている。

いや、だいぶん引いている。

そんな私を気にもせず、京極はしきりにポスター達を一つづつ見つめ、うっとりとした顔でこちらを向く。


「今日初めて実物を見たが、本当に美しかった」


そう言い、白い机の上に置かれたニーナのどアップ写真の卓上カレンダーを抱きしめる。

付き合いきれない……。

面倒臭いし、この話題には触れずにおこう。

そう思い、ため息をついて私はソファに腰を下ろす。
沈み過ぎずお尻の形にぴったりフィットする、とても座り心地のよいソファだった。

そしてふと、ひっかかる言葉を思い出す。


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