みんなの冷蔵庫(仮)1
「今日、会った?」


今日って……私と会う前ということ?

京極は思い出し笑いをニタニタと浮かべた。

顔が綺麗だからかろうじて見る事ができたけど、やっぱり不気味で、私は目を反らした。


「今日写真集発売記念握手会だったんだ。だから、スーツ着てただろう?」

「どこであったの?」

「あのカフェの向かいの本屋」


心弾ませうきうきと語る京極の心と反比例するように、私の心は重くなる。

「スーツ姿に弱い女性は多い。僕みたいに整った顔立ちなら特に。まあ、ニーナに会うから正装したってのもあるんだが」


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