みんなの冷蔵庫(仮)1
ソファでうなだれている私に気付きもせず、京極は大仰に身振り手振りをしながら、生ニーナの美しさとやらを語りながら私の側まで来た。


「あんたもしかしてその為にあのカフェに私を呼び出したの?」


私が目線だけ上げて睨むと、京極は得意げな顔のまま頷き、私の横に腰を下ろした。


「時間は有効に使うべきだ」


私はすぐ横にきた脇腹に多少の手加減をした肘鉄を食らわす。


「30回死ね!」


そう言ってお尻を浮かし、ソファの端っこまで移動した。

ひじ掛けに抱き着くように距離を取る私を恨めしそうに見ながら、京極は腹部をさすり何度も深呼吸をする。


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