みんなの冷蔵庫(仮)1
完全に油断していた私は、不覚にも照れまくって熱くなった顔を隠そうと二人に背を向け、ソファの背に顔を埋めた。

シグマったら何をいきなり言い出すのか。

どうせシグマの事だから、何も考えてないんだろうけど。


「わーキョンキョン、こっちにも部屋あるの?」


ほらやっぱり。

言うだけ言って、こっちの反応は無視かい。


「ああっ! そっちは――」


シグマのどたどたと駆け出す気配がして私が振り返ると、京極が慌てて立ち上がった。
その視線の先を見ると、部屋奥のクローゼットと思われる扉を開け放つシグマが目に入る。

あいつは本当に何も考えずに猿みたいに動き回って……落ち着きのない。


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