みんなの冷蔵庫(仮)1
「趣味って……あんたが着るの?」


ガサゴソはしゃぎ回るシグマはとりあえず放置し、脱力気味に京極に問う。

ここまで変わってる奴だとは思わなかった。
やはり天はニ物を与えない。
見た目がいい分、中身は変なんだ。


「まさか! 僕が着る訳ないだろ」


嘲笑する京極を見て、胸を撫で下ろす。

なんだ、こういう服を集めるのが趣味か。
なら、変は変だけど、そこまで変態って訳でもないかな。収集と変装ではかなり差があるしね。

と一息つく間もなく、京極は続けた。


「女の子に着せるんだ。バニーガールだとか、メイド服、チャイナドレスもある」


私はその場に崩れるように膝を付いた。

今まで京極に手が出ていたのはそれなりに余裕があったからなんだ、と気付く。
あまりの衝撃には、立つ気力すら奪われるのだ。


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