みんなの冷蔵庫(仮)1
「何でそんな事する訳?」


くらくらする頭を両手で抱えて京極を見上げると、さも当然と言わんばかりの顔で私を見下ろしてくる。


「何でって? セックスする時のために決まってるだろ」


その言葉に、さすがのシグマもぴたりと動きが止まる。

急に訪れた静けさを破ったのは、元凶である京極本人だった。


「服を自ら着るのは人間だけだ。素晴らしい事だと思わないか? また子孫繁栄の為だけではなく、セックスに快楽を求めるのも人間だけだ。この二つを見事に融合させた趣味だ」


私はがっくりと両手を床に付けた。大理石の冷たい感触が伝わってきて、背筋がゾクッとする。

「わーキョンキョン凄い!」


クローゼットの中から、シグマが拍手をする。

なぜ今拍手?!
明らかに今のは変態講演だったじゃない!


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