みんなの冷蔵庫(仮)1
私は深く、深―くため息をつき、額に手をあてちらっと視線だけ京極に向けた。

だから何だ、と言わんばかりの京極の顔に、ますます深いため息が出る。

このすっかり変態色になった空気をどうしてくれる?

クローゼットの中を物色し続けるシグマに聞こえるよう、大きな声を出そうと鼻から息を吸う。

クローゼット内にはできれば入りたくないから。


「シグマ、出て来て! あんたまで変態になりたいの?!」


刺々しく言うと、京極が片眉をぴくりと動かした。


「変態変態と言うが、僕は女性とセックスする際、この趣味を断られた事は一度もない」


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