みんなの冷蔵庫(仮)1
改めてシグマを至近距離でじっくり見ると、大きな口の形だとか、小さくて丸い顔だとか、濃くて長くてクルンとカールした睫毛に囲まれたぬいぐるみみたいにぐりぐりに丸くてぱっちりした目とか、意外と通った鼻筋とか。

変わってないな、て思う。

でも、全体的な雰囲気はやっぱり小学生ではなくて、高校生のそれで。
少し照れ臭いというか、以前のように弟と姉のように接する事ができるか自信がない。


シグマだけじゃなくて私も成長し、あの頃の私ではないんだけど。

当たり前の事だけど、多感な年頃を離れて成長した事は、私達の間にはっきりと境目をつけた気がする。

特に私達は周りの同年代の子達に比べてかなり子供っぽいというか、遅れていた分、男女を意識することなく過ごした。

それが今、こうして大人に近付いた思春期の状態で突然再会し、私はシグマへの対応を悩む。


< 173 / 491 >

この作品をシェア

pagetop