みんなの冷蔵庫(仮)1
不思議そうに見上げると、京極は穏やかな顔で横に座り、私の膝にハンカチを置いた。


「汗を拭け。少し休憩しよう」


シグマもやってきて私の足元に座り込んで見上げてくる。


「くららちゃんは昔から泣き虫なんだから、無理しないの」


汗?

言われて額に手をやると、指先が水分で滑る。

いつの間にこんなに汗が出たんだろう。

犬の様に膝に擦り寄ってきたシグマを見下ろす。

心配そうに見上げてくるシグマの方が泣きそうな目をしていた。


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