みんなの冷蔵庫(仮)1
「今日は夕方から大雨だそうだから、誰も焼鳥なんて食べに来ないと思うけど」


京極がちらっと窓に視線を移して言う。

さっきまで晴れ渡っていた空は、いつの間にかどんよりと重い雲に覆われていた。

「冷蔵庫」を開ける練習……
集中してたから気付かなかったけど、一時間近くやってたんだ。

二人はそれをじっと見てくれてた。

そして、私の事を詳しく調べたんだという事がはっきりとした、京極の発言。

確かに私は焼鳥屋でバイトしている。

その事は、ここに来て一度も口にしてないはずだ。


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