みんなの冷蔵庫(仮)1
そのまま小声で言われ、私は訳が分からぬまま京極のエスコート?で玄関まで向かう。

玄関にはお出迎え程の人数ではなかったが、数名の使用人と佐田さんがいた。


「じゃ、また明日」


京極は私の背中をそっと押すと、極上の笑顔で片手を少し上げる。

たったそれだけの仕種がとても美しく、甘くて。

私は京極が変態でニーナオタクだという事も忘れ、胸が苦しくなる。

人は皆美しい物に惹かれるようにできていて、引力みたいに抗うことはできないんだ、だから仕方ないんだ。


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