みんなの冷蔵庫(仮)1
「三浦の息子って誰だい?」


尋常じゃない私の興奮ぶりに、驚いた表情で大将が言う。


「大将知らないの? 爆発的に売れてる『痩せるケーキ』を売ってる会社の会長の息子だよ」


私の跳ね上がった心臓は落ち着く事なく激しく鳴り、まだCM中のテレビと常連客を忙しく交互に見た。


「ああ、あのお店! へぇ、じゃかなり儲かってるだろうねえ」


私は口の中であがった悲鳴を飲み込んだ。


「痩せるケーキ」なら知っている。芸能人にもファンが多い、列ばないと買えない超人気商品。

そこの、会長だなんて。

私の頭の中で、先程京極の自宅で見てきた数々の高級品達が浮かぶ。


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