みんなの冷蔵庫(仮)1
1キロ未満の距離なのに、今日は一刻も早く横になりたくて、スニーカーがびちゃびちゃになるのも構わずに小走りで大通りを抜けた。

マンション前のコンビニが視界の隅に入った時、後ろから来たワゴンタイプの車が急停車した。

不審に思い数歩距離を取って様子を見ると、バタバタと激しくドアが開き、四人の男の人が降りて歩道に向かってくる。

その慌てた感じや、皆お揃いの大きな眼鏡をしている点、そしてなによりも四人共明らかに私を見ている事が怖くなり、後ずさる。

この人達は何?


「乱暴はしないので、一緒に来て下さい」


一番私に近いところにいる、運転席にいた男がそう言って右手を差し出す。

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