みんなの冷蔵庫(仮)1
戻れない
「くらら、無事でよかった!」
車が玄関正面に停車してすぐ、京極が走り寄ってきた。
昼間と同じ服装だったので、まだ眠り支度をしていないようだとホッとする。
京極は怒ったような顔で近付いたかと思うと、車から降りようとする私を引きずり出すようにすくい上げ、かなりきつく抱きしめた。
私の鼻先に京極のうなじが触れ、ふわりと薔薇の香りがした。
なななな何?!
どうして私は今京極の腕の中にいるんだろう?!
私がぴくりとも動けないのは、決して力強く抱かれているせいではなくて、ただ単に……ドキドキしていたからで。
私は指一本動かせず、今起きた事も理解できず、脳の奥の奥まで漂う薔薇の香りに意識が遠のきそうになった。
車が玄関正面に停車してすぐ、京極が走り寄ってきた。
昼間と同じ服装だったので、まだ眠り支度をしていないようだとホッとする。
京極は怒ったような顔で近付いたかと思うと、車から降りようとする私を引きずり出すようにすくい上げ、かなりきつく抱きしめた。
私の鼻先に京極のうなじが触れ、ふわりと薔薇の香りがした。
なななな何?!
どうして私は今京極の腕の中にいるんだろう?!
私がぴくりとも動けないのは、決して力強く抱かれているせいではなくて、ただ単に……ドキドキしていたからで。
私は指一本動かせず、今起きた事も理解できず、脳の奥の奥まで漂う薔薇の香りに意識が遠のきそうになった。