みんなの冷蔵庫(仮)1
「今日からしばらく家に住め。行きたい場所があれば佐田を連れて行くように」


京極は子供を叱るような口調で言うと、私の半乾きの後頭部を軽く撫でる。

彼の腕の中でただただ目を白黒させていると、佐田さんが後ろから近付く。


「京極さん、今は止んでますけど、さっきまでひどい雨だったんです。随分濡れましたから、くららさんに何か温かい物を」


他の男に抱きしめられ、しかもぼーっとして、私はなんて浮気者なんだ!なんて、佐田さんに対する勝手な罪悪感が芽生え、私は両腕を持ち上げる。


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