みんなの冷蔵庫(仮)1
指先がそっと優しく頬を滑り、私が何か言わなきゃ、と口を開いた時、その指が突然ギュッと頬の肉を掴み、手首のスナップを効かせてねじった。


「イタヒッ!」


急に訪れた痛みにびっくりして両肩が上がり、お尻まで浮きそうだった。

シグマはすぐに手を引っ込めた。


「ちょっと! 何すんのよ!」


痛む頬を片手でさすりながら、反対の手でシグマのおでこを軽く叩く。

シグマは大きな目を細め、閉じた唇を横に目一杯伸ばしてにんまり微笑む。


「くららちゃんが朝いつもやってくれてたでしょ、これ。目が醒めるようにって。醒めた?」


小首を傾げ、覗き込むように見上げてくると、茶色いふわふわの髪が私の鼻先に触れた気がした。




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