みんなの冷蔵庫(仮)1
「ごめんね……」


すぐ側に行き軽く頭を下げると、後頭部に鈍い音と痛みが落ちる。


「隙あり!」


顔を上げると、シグマがしてやったり顔でおたまをくるくる回している。


「目、完璧に覚めたでしょ?」


シグマはしれっと満面の笑みで言い、スキップで部屋を出て行く。

おたまで叩かれるとこんなに痛いんだ、と何の役にも立たなさそうな事実を身を持って知った私は、後頭部に手を当て、恨めしそうにシグマの後ろ姿を睨んだ。


「こら! ちょっと! 待ちなさいよ!」


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