みんなの冷蔵庫(仮)1
「おはよう」


京極は読んでいた新聞をたたみ、顔を上げて無表情で言った。

京極に対してどう反応するのかを、まだ全く考えていなかったまま、あれよあれよと今この状況になってしまい、心の回転が追い付かず、私は壊れかけのロボットみたいな歩き方で、なんとかシグマの横の席に着いた。


「おはよう」


私は席に着き、テーブルの上に置かれたガラス細工の箸置きへと視線を落としたまま、俯いて小さくそれだけ言うと、体が固まってしまう。

いろいろな思いが渦巻く。
言いたい事も沢山あるし、まだ腹も立ってる。


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