みんなの冷蔵庫(仮)1
「会社の人が怪しいって事?」

「キョンキョンどこかに行くの?」


それぞれほぼ同時に別の事を問うと、京極はゆったり歩いて私達の後ろに回り、肩を抱くように広げた両手を、私達の座る椅子の背もたれそれぞれに置いた。


「写真は念のためだ。わりとワンマン経営だったみたいだから、敵も多いかもしれない、と思って。午後には戻るから、昼食は一緒に食べよう」


そう言い、私とシグマの肩に軽く手を触れて優しく微笑んだ。

座った位置から振り仰ぐように京極の横顔を見る。

抜けるように白くて美しい肌に、尖った顎から耳までの綺麗な骨のカーブ、全てが整い過ぎて、時々人ではないようにさえ見える。


「キョンキョンていくつなの?」


シグマが思い出したように言うと、京極はそちらへ顔を向ける。

シグマの方に身体半分向けた肩から腰へのしなやかな筋肉のラインが、薄手のカットソーから浮き出るのに目をやり、生命感というか、男を感じてしまう。

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