みんなの冷蔵庫(仮)1
「では私は調査に行ってきます。私の携帯番号を教えておきますから、何かあったらかけて下さい」


佐田さんは立ち上がったパソコン画面をシグマの方に向け、携帯番号が書かれたメモ紙をテーブルに置いた。


普通に携帯番号交換とかだったら、凄く嬉しかったろうな、なんて思う。

なんだか恨めしいような気持ちで、シグマの横にしゃがみ込む佐田さんの横顔を見た。

凛々しく男らしい眉、すっきりと高い鼻、大きな喉仏。
どこを見ても大人の男という感じがして、また、京極の時みたいにただ綺麗な物に反応するのとは違う、心臓から込み上げる感情で、体中、鍋で煮られてるみたいにどんどん熱くなって、ドキドキする。


「ここをクリックすると次の写真に飛びますから。鼻毛の人以外にも人、いたんですよね?」


「他に三人いたんだけど、眼鏡してたから眼鏡の印象しかない」


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