みんなの冷蔵庫(仮)1
それにしたって凄い量。

あんな格闘をして、ずぶ濡れになって、深夜に帰ってから、この膨大な資料に向かったなんて。

もしかして徹夜なのかもしれない。

佐田さんの努力に、私は胸が締め付けられるくらい苦しいのに、なんだか少し嬉しいという矛盾した気持ちになった。


「目だし帽とか、マスクにサングラスだとかは怪し過ぎですし、眼鏡ぐらいがちょうどいい変装になるんでしょうね。後で顔を思い出そうとしても、眼鏡しか浮かばない」


成る程。
確かに、暗かった事や恐怖でそれどころではなかったというのもあるけど、昨夜の男達の特徴で、はっきり記憶しているのは眼鏡だけだ。


< 305 / 491 >

この作品をシェア

pagetop