みんなの冷蔵庫(仮)1
次の瞬間、椅子が全て縦に重ねられた状態で、床から30センチ程浮いた辺りに現れた。
椅子は座面がクッション性のかなり厚みのある物で、背もたれも細工の施された、重い椅子だった。
それらが重なって、ニメートル程になっている。

椅子のタワーは宙から床にたたき付けられるように着地した。

絨毯があるとはいえ、激しい音をたて落下したそれはぐらりと揺れた。


そのまま、ピサの斜塔みたいにシグマの方へ傾いていく。


「危ない!!」


私の叫び声が聞こえたからかどうかは分からないけど、シグマは素早く私の側まで飛びのいた。

上に乗っていた椅子二脚が横向きに落下し、床にたたき付けられた。


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