みんなの冷蔵庫(仮)1
京極は私達の顔を交互に見て、意を決したように口を開いた。


「佐田の母親なんだ」


横でシグマが息を飲む声が聞こえた。

私も心の中で大絶叫した。

佐田さんのお母さんって、どういう事?! て。


言える事は何もないので、京極の言葉の続きをただ待った。


「彼女は心配はしているが、僕らを信じてくれている。なぜあんな人間がいいのかはわからないが、もう十年以上付き合っているんだ。籍こそ入ってないが、二人で暮らす家もあるし、妻同然だと思う」


京極はそう言って前髪を指で払うと、もう一度「本当になぜあんなのがいいのか分からんが」と言った。


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