みんなの冷蔵庫(仮)1
しかし、佐田の様子がいつもと違う事は気になった。


「佐田、僕はまだ帰れないから、お前がこっちに来てくれないか?」

「えっでも現場を離れては……」

「父は『消えた』んだろ? なら、そこにいなくても構わないさ。僕のジャガー使っていいから、とにかくおいで」


そう言って会場の場所を説明すると、佐田は不安げに承諾し、電話を切った。

声だけだったが、激しく狼狽しているのが分かる。

あんな佐田は初めてだ。


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