みんなの冷蔵庫(仮)1
佐田は初めて会った時から落ち着いていた。

あの時の佐田は二十歳そこそこだったはずだが、当時の僕は、今の佐田くらいの年齢かと思ったくらいだ。

父の側についてから何年経っただろう。

父が佐田を後継者にしたいと考えていることは、僕にも分かっていた。


「メリアは社員全ての親族を入社させない」と決めていた。

これにより、会社が急成長した事で突然群がった「自称親戚」達を遠ざけた。


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