みんなの冷蔵庫(仮)1
僕は聞かれた事に答えながら、この会話のやり取りに夢中になった。

膝を曲げてすぐ側にしゃがみ込み、目線を合わせて僕を見つめる温かい眼差し。

質問をして、答えるとそれにまた新たな質問を与えてくれる。

僕には佐田が凄い能力者に見えた。

なぜ僕はこんなにワクワクしているのか。

初めて会った見知らぬ大きな男は、なぜこんなに一生懸命に僕の話を聞いてくれるのか。


今思えば、あの頃の僕は淋しかったのだと思う。

同級生ではない、大人との関わりが欲しかった。


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