みんなの冷蔵庫(仮)1
そして箱を空け、丸くなった目で僕を見た。

僕は確かこんな風に言った。

「結婚式とかする時に、指輪を付けて神様に誓うんだろ? それを、僕にも誓ってくれ」


今思うと何ともバカバカしいが、当時の僕はいたって真剣で。

指輪とは神聖なもので、それがあれば裏切る事はできないという象徴なのだと勘違いしていた。

あの頃の僕は、ただ夢中に何か……確証というか、目に見える形で繋がりが欲しかった。

また鬼に忘れられたかくれんぼをするのは嫌だった。


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