みんなの冷蔵庫(仮)1
佐田は笑った。

馬鹿にしたんじゃない。

とても優しく笑い、指輪を手に取った。

狙ったように左手の薬指にしかサイズが合わず、さすがにそれはちょっと苦笑いを浮かべていたが、はめた手を僕に見せながら、笑った。


「誓います。あなたを裏切りません」



僕はこの時から佐田が誰よりも大事で、家族以上の存在になった。

佐田以上に、僕は佐田を裏切りたくなかった。


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