みんなの冷蔵庫(仮)1
それにしたって、京極の佐田さんへの気持ちの深さというか……依存度に正直びっくりしている。

どうしてそんなに佐田さんが大事なの?

とは、聞けないけれど。


「佐田さんがいないうちに入るって……?」


目を盗む、という事だろうか。


「嘘でも騙しでもないだろ? 佐田は既に一度冷蔵庫に入ってる。だから次は僕の番だ」


京極はそう言ってニヤリと唇の端を上げた。

例えば今、とか言われたらどうしよう、と思うと急に私の手は小刻みに震え出した。

なんとなくだった「京極を中へ入れる」という計画が、一気に現実味を増してきたというか。

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