みんなの冷蔵庫(仮)1
私には心の準備が一切できていない。


「さっき冷蔵庫の中には何を入れたんだ?」


私の不安を知ってか知らずが、京極は嬉しそうに微笑みかけてくる。

そんなに冷蔵庫の中に入りたいのか。

私は不安でいっぱいなのに。


「湯呑み。それと、椅子」


私はぶっきらぼうに答えた。


「それで、どうだった?」

「どうって?」


身を乗り出す京極に、冷めた視線を送る。



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