みんなの冷蔵庫(仮)1
クマから追い払うように後ろにやられたシグマと、その横にいる私の目から出る「理解できないんですけど光線」を背中に受けながら、京極はハニーブラウンの毛並みに体を押し付け、顔を隠すようにして口を開いた。
「これは……貰ったんだ。父と美恵さん――佐田の母親から。二十歳の誕生日祝いに」
誕生日プレゼント?
二十歳の男にクマのぬいぐるみを?
「変わってるんだあの人達は」
口にはしない疑問を空気で感じたのか、もともとそう思っていたからなのか、京極は深いため息をついて言った。
「これは……貰ったんだ。父と美恵さん――佐田の母親から。二十歳の誕生日祝いに」
誕生日プレゼント?
二十歳の男にクマのぬいぐるみを?
「変わってるんだあの人達は」
口にはしない疑問を空気で感じたのか、もともとそう思っていたからなのか、京極は深いため息をついて言った。