みんなの冷蔵庫(仮)1
「キョンキョンが変わってるって言うんなら、かなり変わってるんだね」


シグマがあっけらかんとした口調で言い、吹き出した。

私も釣られて笑いが出る。


「ああ、変わってる。僕の名前も、それくらい金が儲かるように、て意味でつけたくらいなんだ。金の亡者だ父は」


京極はそう言ってクマから離れた。

「金?」

笑い過ぎてすっかり頬が赤くなったシグマが、まだ笑いながら言った。


「億、兆の次は京と書いて『ケイ』という単位だ。更に上に行くと杼、穣、溝、澗、正、載、極とある。組み合わせて京極だ」

「じょじょうこうかんせいさいごく? 初めて聞いたー」


シグマがそう言ってクマのお腹に抱き着いた。

柔らかそうな毛に頬を埋めて、気持ち良さそうに目を細めている。

多分、単位の事なんかもうどうでもよくなってる顔だ。


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