みんなの冷蔵庫(仮)1
「金儲けできそうだからとこんな名前付けるんだ。凄いだろ」

「でも二十歳の誕生日にお祝いくれるなんて、いいお父さんだね」


きっともうシグマは聞いてないだろうと思い、私が答えた。


「それはどうだろう。でもまあ……生きてるなら、さっさと連れ帰ろう」


その言葉を合図のように、場の空気が変わる。

三人みんなそれぞれに、冷蔵庫の事を頭に思い浮かべた。

二人はどうかわからないけど、私は覚悟のようなものがやっとできた。

昨日よりも、京極の気持ちに少しづつ近付けていると感じる。

なんだかんだでお父さんを助けたいと思ってる。

それをちゃんと感じる。

私は京極を冷蔵庫に入れようと思う。

できるなら。







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