みんなの冷蔵庫(仮)1
ふさふさしたグレーの毛に包まれた、小さくてかわいいウサギ。

いざ目の前にすると、心は挫けた。


「じゃあもう僕を入れよう」

「やめて! やっぱり無理よ私」


ウサギも京極も見たくなくて、背を向けて耳を塞いだ。

物ならいいけど……やっぱり生き物は嫌だ。

ズタズタに切り裂かれたりしたらどうしよう。

二度と戻れなくなったらどうしよう。

目も閉じて暗闇の中、嫌だ嫌だと心の中で何度も繰り返した。


「くららちゃん。大丈夫だから」


シグマが後ろから優しく肩に手を乗せてくれた。


「この子も、キョンキョンも、絶対出してみせるから」


まるで誓いのように、揺るぎなく断言するシグマの声に、少しづつ不安は溶け始める。


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