みんなの冷蔵庫(仮)1
「キョンキョンごめん……」


力なく呟いたかと思うと、シグマはゲージを京極に渡し、そのまま崩れるように床に膝を着けた。


「シグマ!」


びっくりして駆け寄る。

京極がゲージを床に置き、シグマの両脇の下に腕を入れて抱え上げた。


「大丈夫か?」

「ちょっと……休憩していい?」


額に汗を浮かべ、真っ青な顔でそう言うシグマを見ると、涙が怒涛のごとく溢れ出す。


「ごめんね……ごめんねシグマ」


私はただただ涙が出て動けない。

京極がシグマの腕を肩に回し、抱き抱えてソファーまで運んだ。

息の荒いシグマをソファーの上に横たえると、京極はその頬や額に触れ、私を振り返った。


「熱はないみたいだ……。従兄弟が医者だから、呼んでくる」


そう言うと駆け足で部屋を出て行った。


私はシグマの顔の側に座り込み、痛すぎる胸から絞り出すように流れる涙がシグマに落ちないように、ゴシゴシと袖で顔中を擦った。


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