みんなの冷蔵庫(仮)1
診断
佐田さんが運転する黒いベンツの助手席に京極が、後部座席に私とシグマが乗り、車は走り出した。
シグマは私の膝の上に頭を乗せ、膝を立て仰向けに横になり、額に冷や汗を浮かべている。
寒いというからブランケットを掛けているのに、ずっと小刻みに震えていて、私は不安でシグマの手を握りしめた。
「くららさん、頭を下げてシートに隠れて下さい」
シグマに被さるように体を屈め、佐田さんに「もう大丈夫」と言われて体を起こす。
後ろを振り返ると、カメラを持った人が数人見えた。
取材陣だろうかと一瞬だけ気を取られたけど、シグマの苦しそうな呼吸に引き戻され、握る手に力を込めた。
「救急車呼ばなくてよかったの?」
前の座席に話し掛けると、京極が首だけこちらに向けた。
「救急車を呼び、来るのを待って、そこから受け入れ先病院を探すより、こちらから行った方が早いさ」
シグマは私の膝の上に頭を乗せ、膝を立て仰向けに横になり、額に冷や汗を浮かべている。
寒いというからブランケットを掛けているのに、ずっと小刻みに震えていて、私は不安でシグマの手を握りしめた。
「くららさん、頭を下げてシートに隠れて下さい」
シグマに被さるように体を屈め、佐田さんに「もう大丈夫」と言われて体を起こす。
後ろを振り返ると、カメラを持った人が数人見えた。
取材陣だろうかと一瞬だけ気を取られたけど、シグマの苦しそうな呼吸に引き戻され、握る手に力を込めた。
「救急車呼ばなくてよかったの?」
前の座席に話し掛けると、京極が首だけこちらに向けた。
「救急車を呼び、来るのを待って、そこから受け入れ先病院を探すより、こちらから行った方が早いさ」