みんなの冷蔵庫(仮)1
白衣の人と京極がシグマに肩を貸し、車椅子に乗せる。
佐田さんは車を駐車場に入れに行った。
「本当にかわいい娘連れだ。あんな事言って期待させといて、佐田さんの事だったらぶっ飛ばそうかと思ってた」
白いシャツに濃紺のネクタイを締め、黒のピッチリ折り目のついたスラックスを履き、前を開けた白衣姿。
きっちりした恰好なのに、この、そこはかとなく漂う軽薄感はなんだろう。
「あ、車椅子押すのって意外と難しいんだよ。僕が押すからね。で、君いくつ?」
車椅子の後ろに回り、ハンドルにかけた私の手の上に、白衣の男は自分の手を重ねて来て、ニッコリと微笑む。
私はびっくりして手を引っ込めようとした。
でも、上からしっかり握られていて離れない。
鼻が高くて、優しそうな二重の目。京極とは全く似てなく、京極のような息を飲む程の美形ではないけれど、それなりに綺麗な顔立ちをしていた。
佐田さんは車を駐車場に入れに行った。
「本当にかわいい娘連れだ。あんな事言って期待させといて、佐田さんの事だったらぶっ飛ばそうかと思ってた」
白いシャツに濃紺のネクタイを締め、黒のピッチリ折り目のついたスラックスを履き、前を開けた白衣姿。
きっちりした恰好なのに、この、そこはかとなく漂う軽薄感はなんだろう。
「あ、車椅子押すのって意外と難しいんだよ。僕が押すからね。で、君いくつ?」
車椅子の後ろに回り、ハンドルにかけた私の手の上に、白衣の男は自分の手を重ねて来て、ニッコリと微笑む。
私はびっくりして手を引っ込めようとした。
でも、上からしっかり握られていて離れない。
鼻が高くて、優しそうな二重の目。京極とは全く似てなく、京極のような息を飲む程の美形ではないけれど、それなりに綺麗な顔立ちをしていた。