みんなの冷蔵庫(仮)1
「それを今すぐ飲んで」


謙信先生はキョトンとするシグマの手からジュースを奪い、プルタブを開けて、また差し出した。


「飲んで」


シグマは差し出されたジュースを両手で受け取り、ごくごく飲み干した。


謙信先生は飲み終わった缶を受け取り、分別されたゴミ箱にほうり込むと、またシグマの前の椅子に座って顔を覗き込んだ。


「本当に糖尿病て診断された事ないの?」


腑に落ちないといった表情の謙信先生に、シグマは目をしばたかせた。


「先月学校で健康診断あったけど……特に何も言われなかった」


謙信先生は腕を組み、椅子の背もたれに体重をかけて渋い顔をした。


「そう……じゃ、受験生?」

「一応三年生です」

「全く食事をせずに丸一日かなり集中して勉強したりした?」


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