みんなの冷蔵庫(仮)1
私は後ろに立つ京極を振り返り、目を合わせた。

シグマが勉強?
全く食事をせずに?

どういう意味かわからなかったが、京極も同じだったようで、私に肩をすくめて見せた。


「低血糖起こしてる。糖尿病じゃないのに、この数値は驚きだよ。親御さんは糖尿病じゃない?」


謙信先生はシグマの下瞼をめくったりしながら言った。


「低血糖なんてそんなによくある事か?」


京極が訝しげな顔で謙信先生を見た。

私は初めて聞く言葉で全く意味がわからない。


「糖尿病患者ならよくあるけど。でも違うんでしょ? 見た目と年齢考えても2型とは思えないし、小中学生に発症者が多い1型になった可能性もゼロではないけど……勉強のし過ぎなんじゃないかな」


謙信先生はシグマの両肩に軽く手を乗せ、大きく息を吐いた。


「勉強するなら、食事をちゃんとしなきゃ」


どういう事だろう?
食事はちゃんとしていたのに。


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