みんなの冷蔵庫(仮)1
「一応静注して帰る?」


謙信先生は振り返り、京極の顔を見て言った。


「頼む」


謙信先生は部屋を出て透明の液体を持って戻ると、それをベット横の足に車の付いたシルバーの点滴装置にセットした。


「低血糖って酷い時は昏睡状態になるんだ。もう歩けるだろ? ここに横になって」


シグマは車椅子から降り、しっかりした足取りでベットまで歩き、仰向けに寝た。

顔色もさっきとは比べものにならないくらいいい。

謙信先生はさっき採血したのとは反対側の腕に点滴針を刺した。


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