みんなの冷蔵庫(仮)1
「シグマ、具合どうだ?」


紙のように白くなっていたシグマの顔色は、すっかり元通りで、震えも止まり、自然な笑顔を浮かべていた。


「ジュース飲んですぐに元気になった気がする」

「ジュースで血糖値が上がったからだろ」


京極がそう答えても、私は血糖値とか、低血糖とか、全く意味が分からない。

ただ、シグマが倒れたのは私のせいのような気がしてならなかった。


「私はなんともないから……シグマの方が集中して、一生懸命だったからこんな事になっちゃったのかな」


規則正しく落ちる液体の雫を見ながら、自分はひどく無力だと思った。


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