みんなの冷蔵庫(仮)1
京極が出て行き二人だけになると、急にさっきのキスを思い出し、顔が熱くなって俯く。

ていうか、京極の捨て台詞がいけないんだ。

あいつ、見てたのかな……

もしそうなら、佐田さんも見たのかな……見られてたら……へこむなぁ。


さっきの熱はあっという間に冷め、今度はどんどん沈んでくる。


「くららちゃん、さっきはごめんなさい」


切なく絞り出すような声に、チクリと胸が痛んだ。

今佐田さんの事を考えていた事が、なんだか後ろめたいような気持ち。

そんなやましい気持ちを振り払うように、ぶんぶんと強く横に首を振ると、シグマが小さく吐息をもらしたのが聞こえた。

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