みんなの冷蔵庫(仮)1
重なっていた手が動き、指と指の間にシグマの細い指が深く割り込んできて、一本一本を愛でるように、大事そうに、合わさった。

こんなのは、駄目だ。

手を繋いだくらいじゃ、ドキドキなんてしないはずだけど。

こういう繋ぎ方は、駄目だ。

子供の時、こんな風に繋いだりしなかったもん。


シグマの絡みついた指は私の心まで締め付けているようで。


「きつくて朦朧としちゃって……つい」


顔は見れなかったけど、シグマの声が段々強くなっていくのが分かって、私はどんどん息苦しくなった。

つい、意味不明な事言っちゃたんだよね。

いいよ、大丈夫。分かってるよ。

私もテンパっててよく覚えてないし気にしないで。


そう、言おうとした唇が、動く前に――

シグマのもう片方の手が伸びてきて

人差し指が……


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